経理メモ(は〜)

・配当所得・半製品・複式簿記・負債・負債の種類・不動産所得・分離課税・法人・簿記検定・保証

【あ】 【か】 【さ】 【た】 【な】 【は】 【ま】 【や】 【ら】

申告・税金に関連する用語 簿記と関連性の高い用語

【経理・開業・入札・簿記用語】

・配当所得
配当所得(はいとうしょとく)とは、所得税における課税 所得の区分の一つであって、法人から受ける利益の配当、剰余金の分配、基金利息並びに投資信託及び特定目的信託の収益の分配に係る所得をいう(所得税法24条1項より抜 粋)。利子所得および不動産所得と同様、資産性所得の一つである。配当所得は、所得税法上は原則的に総合課税である。そして利子所得と異なり、株式等を取得するための負債の利子について、一定の範囲で費用の控除が認められる(所得税法24条2項)。しかし租税特別措置法の規定により、源泉徴収(20%又は7%+住民税3%)をされ、その上で少額配当の申告不要制度や、上場株式等の配当に関する課税の特例制度が設けられている。
・少額配当の申告不要制度
内国法人から支払を受ける配当等で一回に支払を受ける金額が少額(年一回配当の場合は十万円以下)のものは、申告せずに源泉徴収で済ますことができる。(所得税法24、182、措置法8の2、8の5、9の3、平18改正所法附則77。) ただし、平成22年分以後金融商品取引業者等で開設した特定口座(源泉徴収口座)内で配当所得と損益通算した譲渡所得(損失)を申告する場合、その上場株式等の配当所得は申告不要にはすることはできない。なお、住民税には申告不要制度がない。
・上場株式等の配当に対する課税の特例
上場株式等の配当については、その会社の発行済み株式総数の3%以上を保有する大口株主が受け取るものを除き、その金額にかかわらず申告不要とできる。平成21年分から 申告分離課税が選択できるようになった。申告分離課税を選択した配当所得は上場株式等の譲渡損失との損益通算が可能になるが、上場株式等の配当の全部について、総合課税か申告分離課税かを選択する必要がある(部分選択は出来ない)。なお申告分離課税を選択した配当所得については、配当控除を受けられない。

・半製品
半製品(はんせいひん・semi-processed goods)とは、工業簿記または企業会計において、製造途中にある製品のこと。原材料をいくらかでも加工してあれば認識される仕掛品とは異なり、それ自体が製品として販売可能な状態であるが、企業にとっては製造途中であるものが半製品として認識される。勘定科目としての半製品勘定は、棚卸資産に分類され、流動資産である。

・複式簿記
複式簿記(ふくしきぼき・ Double-entry bookkeeping system)とは、簿記において、全ての簿記的取引を、その二面性に着眼して記録していき、貸借平均の原理に基づいて組織的に記録・計算・整理する記帳法のことをいう。
取引の二面性というのは、簿記的取引には原因としての側面と結果としての側面があること、例えば建物の現金による購入という1つの取引においては、建物の 増加(資産の増加)という側面と現金の減少(資産の減少)という2つの側面があることを意味する。複式簿記ではこの取引の二面性に着眼し、資産、負債、資本、費用又は収益のいずれかに属する勘定科目を用いて借方と貸方に同じ金額を記入する仕訳と呼ばれる手法により記帳がなされる。
複式簿記では1つの取引における取引金額を、取引の原因と結果の観点から借方と貸方に振り分け、それぞれ同一金額を記録してゆくことになるので、最終的に借方と貸方の合計額は常に一致することになる。これを貸借平均の原理という。
複式簿記は単式簿記よりも手順としては複雑になるが、資金の収支に限らず全体的な財産の状態と損益の状態を把握できるという利点がある。今日、単に簿記といえばこの複式簿記を指す。会社の決算報告では複式簿記の原則により作成された損益計算書、貸借対 照表の公表が義務付けられている。

・負債
一般的な用語における負債(ふさい)は、借金など、他人に対して弁済すべき法律上もしくは慣習上の債務を指す。財務会計上の負債(ふさい)は、会社にとって返済等の必要がある経済的負担を指す。財務会計上の負債(ふさい、liability)は、勘定科目の区分の一つ。会社にとって返済等の必要がある経済的負担のことをいう。文脈によっては他人資本(たにんしほん、borrowed_capital)とも呼ばれる。負債には、法律上の会社にとっての債務と、法律上の債務ではないが合理的な期間損益計算の観点から負債として計上される項目とが含まれる。負債に分類される勘定科目のうち、法律上の債務に該当するものには、借入金や買掛金などの確定債務、退職給付引当金などの条件付債務、法人税等引当金などの金額不確定債務がある。一部の引当金等は、法律上の債務には該当しないが、将来会社に経済的な負担をもたらす可能性が高いものであるため、合理的な期間損益計算の観点から負債として計上される。これは例えば修繕引当金などが該当する。他に、価格変動準備 金などの租税特別措置法上の各種の準備 金は、しばしば特定引当金と呼ばれ、貸借対照表の負債の部に特定引当金の部を設けて記載される。しかし、これは留保利益の性質を有する項目であり、会計上の真の負債とは言えない。財務会計の目的を会社の財産計算に置く静態論(資産負債アプローチ)の立場からは、資産と負債の額をそれぞれ算出し、差額により純資産の額が求められるものとしてとらえられる。これに対し、財務会計の目的を会社の収益力の算定に 置く動態論(収益費用アプローチ )の立場からは、貸借対照表の貸方は企業の資金調達の源泉を表示したもので、負債の部は金融機関等の債権者から調達した他人資本、資本の部は株主から調達した「株主資本」もしくは「自己資本」としてとらえられる。

・負債の種類
企業会計原則のもとでは、負債は貸借対照表上では資本とともに貸方に記載され、流動負債と固定負債とに区別され る。流動負債は、通常1年以内に弁済期限が到来する負債である。支払手形や買掛金等の取引先との通常の商取引によって生じた負債には、正常営業循環基準が適用され、原則として流動資産に分類される。借入金などには一年基準が適用され、弁済期限が1年以内に到来するもののみが流動負債に含まれる。また、前受収益などの次期収益へ繰り延べされるべき勘定科目、および引当金のうち賞与引当金のように通常1年以内に使用される短期負債性引当金も流動負債に属する。固定負債は、通常1年以上後に弁済期限が到来する負債である。これには弁済期限が1年以上先の社債や長期借入金が含まれる。また、引当金のうち退職給付引当金など、通常1年を越えて使用される長期負債性引当金も固定負債に含まれる。
代表的な勘定科目
・流動負債
支払手形、買掛金、短期借入金、未払金、未払費用、前受金、前受収益、割引手形、未払法人税等。
・繰延税金負債
賞与引当金、固定負債、社債、長期借入金。
・長期繰延税金負債
・退職給付引当金

・不動産所得
不動産所得(ふどうさんしょとく)とは、所得税における課税所得の区分の一つであって、不動産、不動産の上に存する権利、船舶又は航空機の貸付けによる所得をいう(所得税法26条)。ただし、事業所得又は譲渡所得に該当するものを含まない。 不動産所得と事業所得のどちらに該当するのか、判断の困難な所得がある。例えば、マンションの賃貸業から得られる所得は不動産所得である。一方で、ホテルの運営から得られる所得は事業所得となる。では、ウィークリーマンションの運営から得られる所得はどちらに分類されるのか。マンスリーマンションではどうか。このように、不動産所得と事業所得を類型的に区分することは困難であり、実際は個別の事情に合せた判断が必要となる。この判断に当たっては、事業所得が山林所得と同様に資産性・勤労性結合所得であり、不動産所得が資産性所得であることをその手がかりとする。その上で、人的役務の提供が不動産の賃貸と一体となって初めて意味をなすようなサービスの提供であれば、これを事業所得とする。上述のウィークリーマンションの場合には、部屋の清掃サービスや食事の提供の有無等を基準として判断されることとなろう。

・分離課税
分離課税(ぶんりかぜい)とは、ある所得を他の種類の所得と合算せず、分離して課税することをいう。累進課税制度が採用されている場合には、分離課税は総合課税を選択した場合と比べて累進税率の緩和が図られるという特徴を持つ。また分離課税制度の採用においては、合せて税率が低く抑えられる場合も多い。日本の所得税には、次の源泉分離課税と申告分離課税がある。源泉分離課税は、源泉徴収によって課税関係を完結させ、確定申告を必要としない制度をいう。源泉分離課税が適用されるのは、以下の所得についてである。利子所得 配当所得のうち、公社債投資信託の収益の分配等雑所得のうち、定期積金の給付補てん金や抵当証券の利息などの金融類似商品の収益。上記のほか、配当所得のうち上場株式等(上場投資信託、公募株式投資信託などを含む)に関するもの(大口株主を除く)及び少額配当や、上場株式等の譲渡所得のうち金融商品取引業者 等で開設した特定口座(源泉徴収口座)内の金額については、例外を除き確定申告をしないこととすることもできる(申告不要制度 )。この場合は、源泉分離課税と実質的に同一の課税関係である。申告分離課税は、 確定申告の段階で他の所得と合算せず、分離して課税する制度をいう。 申告分離課税が適用されるのは、以下の所得についてである。退職所得 山林所得 譲渡所得のうち土地建物等の譲渡(分 離長期譲渡所得および分離短期譲渡所 得)譲渡所得のうち、株式等や出資持分等の譲渡(株式等に関わる譲渡所得等)雑所得のうち、先物取引や外国為替証拠金取引および店頭FX・店頭CFDなどの店頭デリバティブ取引に関わる雑所得配当所得のうち、上場株式等の配当金(申告分離課税を選択した場合)

・法人
法人(ほうじん、独・ juristische Person、英・juridical person)とは、自然人以外で、法律によって「人」とされているものをいう。「人」とは、法律的には、権利義務の主体たる資格(権利能力)を認められた存在をいう。つまり法人は、自然人以外で、権利能力を認められた存在ということになる。日本においては、法人は、一般社団・財団法人法や会社法などの法律の規定によらなければ成立しない(法人法定主義、民法33条)。

・簿記検定
簿記検定(ぼきけんてい)とは、簿記に関する基礎知識、実務、計算の能力を判定するための検定試験であり、複数の団体により実施されている。日本商工会議所簿記検定 (日商簿記)全国経理教育協会簿記能力検定(全経簿記) 全国商業高等学校協会簿記実務検定(全商簿記)日本ビジネス技能検定協会簿記能力検定試験(日ビ簿記)

・保証
保証は人的担保の1つであり、債権者と保証人との間で保証契約を締結することにより成立する。保証人とは、債務者が債務を弁済しない場合に、債務者に代わって弁済すべき者であり、保証契約は必ず書面で交わすことが求められる。保証人の債務は、本来の債務そのもの(主たる債務)ではなく、債務者が債務を弁済しない場合に負担すべき債務であり、これを保証債務という。保証債務には、以下のような性質がある。
・成立における付従性(主たる債務がなければ保証債務は成立しない)
・内容における付従性(保証債務が主たる債務より重くなることはない)
・消滅における付従性(主たる債務が消滅すると保証債務も消滅する)
・随伴性(債権譲渡や相続などで債権者が変わることにより、主たる債務が移転した場合、保証債務もともに移転する)
・補充性(主たる債務者が履行しないときに、はじめて履行しなければならない)