経理メモ(か〜)

・買掛金・会計学・会計帳簿・確定申告・貸倒引当金・勘定科目・危険負担・給与所得・強制執行・繰延税金負債・繰延資産・繰延税金資産・契約の種類・決算・原価計算・減価償却・現金預金・原材料・建設仮勘定・建設業会計・建設業会計の勘定科目・工業簿記・工事完成基準・工事進行基準・固定資産

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申告・税金に関連する用語 簿記と関連性の高い用語

【経理・開業・入札・簿記用語】

・買掛金
買掛金(かいかけきん・accounts_payable)とは、掛け取引によって商品を購入した場合に代金を支払う義務(債務)をいう。本来、このような債務を総称して仕入債務というが、当該債務について手形が存在する場合には支払手形、そうでない場合には買掛金として区別される。会計上、仕入債務は未払金の一種であるが、仕入先との通常の取引に基づいて発生した営業上の未払金を仕入債務という。掛け取引とは、まず納品(商品の引渡し)が行われ、後日代金の決済が行われる取引である。売買契約成立後、納品さ れると仕入債務(支払手形または買掛金)が発生し、その後に請求行為が行われ、代金を支払ったときに仕入債務は消滅する。

・会計学
会計学(かいけいがく・accounting)は、企業、官庁、家計など一定の経済主体が行う会計行為、すなわち、富の存在とその変動に伴う損益とに関する計数的情報の測定と伝達の行為を対象とし、法則、性格、構造などを、首尾一貫した理論的体系をもって解明しようとする学問のことであり、商学の一部である。企業会計における主な領域として、企業外部の利害関係者(株主、債権者、税務当局など)に情報提供することを目的とした「財務会計」と企業内部の利害関係者である経営者などに情報提供することを目的とした「管理会計」に大別される。これらは、学問的に「財務会計論」(財 務諸表論)、「管理会計論」と呼ばれる。他に、簿記論、原価計算論 、監査論(会計監査論)、経営分析論、税務会計論、環境会計論など様々な分野が展開されている。

・会計帳簿
会計帳簿(かいけいちょうぼ)とは、 企業等が取引上その他営業上の財産に影響を及ぼすべき事項を記載した帳簿である。 貸借対照表、損益計算書を作成する基礎となる。会計帳簿は、主要簿と補助簿に分類され、さらに以下のように分類される。
(主要簿 - 企業等の取引を体系的に統括 する帳簿)
・仕訳帳
・総勘定元帳
(補助簿 - 補助的な役割をする帳簿)
・補助記入帳 → ・現金出納帳 ・当座預金出納帳 ・小口現金出納帳 ・受取手形記入帳 ・支払手形記入帳 ・売上帳 ・仕入帳
・補助元帳 → ・売掛金元帳 (得意先元帳) ・買掛金元帳 (仕入先元帳) ・商品有高帳

確定申告
確定申告(かくていしんこく)とは、税金に関する申告手続を言い、日本においては次の諸点を指す。
1. 個人が、その年の1月1日から12月31日までを課税期間として、その期間内の収入・支出、医療費や家屋の新築・増改築・売買、盗難や火災、寄付、扶養家族状況などから所得を計算した申告書を税務署へ提出し、納付すべき所得税額を確定すること
2. 法人が原則として自己の定款に定められた営業年度を課税期間としてその期間内の所得を計算した申告書を税務署へ提出し、納付すべき法人税額を確定すること
3. 消費税の課税事業者である個人又は法人が、課税期間内における消費税額を計算した申告書を税務署へ提出し、その納税額を確定すること

・貸倒引当金
貸倒引当金 (かしだおれひきあてきん・Allowance For Bad Debt, Loan Loss Reserve、Allowance for Doubtful Accounts)は、金銭債権の貸倒見積高を計上することにより生じる引当金である。貸方に計上される勘定であるが、 貸借対照表上は評価勘定として資産から控除される形で表示される。これは適正な資産評価および損益計算のために計上される抽象的な概念であり、リスクを定量的に表現したものにすぎない。そのため、貸倒引当金に相当する資金(現金)が現実に確保されるわけではない。貸付金や売掛金などの金銭債権は、計上額すべてを回収できるとは限らず、相手の返済不能等による信用リスクが発生する。貸倒れが生じた場合、当該債権を取崩す(貸方に記入)とともに同額の費用が計上(借方に記入)される。このとき、財務会計上、この費用をどの会計期間に計上するかが問題となるが、基本的には当該債権が生じた会計期間の費用とすべきである。たとえば、第1期に貸し付けを行い、第2期に貸倒れたとするなら、当該貸付金の貸倒れによる費用は第 1期に計上すべきである。しかし、第1期においては実際に貸倒れが起こったわけではないので、費用の計上は見積もりによるしかない。よって、各期の決算において翌期以降の貸倒れを見積もり、あらかじめ費用を計上(借方に記入)する。このとき同時に計上(貸方に記入)される勘定が貸倒引当金である。
企業会計原則 の一般原則六では、予想される将来の危険に備えた会計処理として貸倒引当金の計上を認めており、金融商品に関する会計基準や税法上も計上内容ごとに見積方法が定められている。貸倒引当金の計上範囲は、原則として全ての金銭債権が対象となり、立替金などについても計上が認められる。会計処理としては、当期の見積額に応じて借方に貸倒引当金繰入(費用)を、貸方に同額の貸倒引当金(債権科目から控除)を計上する。前期からの繰越額の扱いについては次の方法がある。
1. 洗替法 - 前期分を一度戻入処理し、当期分を計上する方法。
2. 差額補充法 - 前期分と当期分との差額のみ計上する方法。実績法ともいう。
実際に貸倒れが生じた場合、当該金銭債権は当期資産の部から控除されるため、これに対応する貸倒引当金も取り崩しされる。このとき、貸倒引当金を超える貸倒れが発生した場合には、その超過分を当期の貸倒損失(費用)として計上する。

・勘定科目
勘定科目(かんじょうかもく)とは、複式簿記の仕訳や財務諸表などに用いる表示金額の名目をあらわす科目のことである。単に「勘定」と呼ばれることも多い。

・危険負担
双務契約において、天災や第三者の行為など債務者の責めに帰さない事由により一方の債務が履行できなくなることがあります。この場合に、他方の債務も消滅するか否かが問題となり、これを危険負担の問題といいます。 民法では、一方の債務が消滅したときには、他方の債務もまた消滅するという考え方を原則としています(債務者主義)。ただし、特定物に関する物権の設定または移転を双務契約の目的とした場合においては、例外として債権者が危険を負担することになります(債権者主義)。例えば、3千万円のマンションを対象とした売買契約で引渡しが2週間後に設定されている場合、契約から引渡しまでの間に地震でそのマンションが倒壊したとしても、買主が売主に対して代金3千万円を支払うという債務は残存することとなります。

・給与所得
給与所得(きゅうよしょとく)とは、所得税における課税 所得の区分の一つ。俸給、給料、賃金、歳費及び賞与並びにこれらの性質を有する給与に係る所得をいう(所得税法第28条第1項)。退職所得と同様、恒常性所得のうち勤労 性所得に該当する。
課税方式
給与収入から給与所得控除(経費相当分)を差し引いて算定される。この給与所得控除額は、実際にかかった必要経 費の額ではなく、給与等の収入金額に応じて算定される(所得税法28条2項)。いわゆる概算経費控除である。この給与所得控除については、給与所得者を、実額経費控除が認められる事業所得者よりも不当に差別するものであって憲法14条違反である、との批判があった。実際にも、この主張に基づいてサラリーマン税金訴訟が提起された(最大判昭和60年3月27日民集9巻2号247頁など)が、合憲であるとされた。その後、給与所得控除においても一定の範囲で実額の経費控除を認めるべく、特定支出控除制度が1987年(昭和62年)に設けられた(所得税法57条の2)。

・強制執行
債務者が任意に債務を弁済せず、かつ、債権者が特殊な回収手段も取り得ないときには、債権者は裁判所などの法定の執行機関を通じて、強制的に債権の内容を実現させることができる。この手続きを「強制執行」という。 強制執行は、通常、債権者が裁判所に申し立てることにより実施され、その際に債権の存在とその内容を公的に証明した文書(債務名義)が必要となる。代表的な強制執行である「直接強制」は、執行機関の力により債権の内容を直接実現させる方法であり、具体的には、引き渡すべき物を債務者から取り上げて債権者に引き渡したり、債務者が所 有するすべての財産(一般財産)を換金し、それを基に債務を弁済させることとなる。この強制執行の対象となる一般財産を「責任財産」という。

・繰延税金負債
繰延税金負債(くりのべぜいきんふさい・deferred_tax liability)は、勘定科目の一つ。税効果会計を適用した際に認識される負債(貸方項目)である。
概要
繰延税金負債は、企業会計上の損益が税務上の将来加算一時差異として処理され、税務上の当期課税所得や納付税額が減少する場合に生ずる負債(未払債務)である。繰延税金負債は、企業会計と税務との「一時的な」益金に対する認識時期の相違(一時差異)を調整するための項目であり、受取配当金のように企業会計上の収益と税務上の益金との不一致が永久に解消されない永久差異については、繰延税金負債の計上が認められない。通常、繰延税金負債が増加した場合、法人税等調整額の計上により、同額だけ当期純利益の額も減少する。一方、計上された繰延税金負債は、対応する各将来時点で、残高を減少させる手続きをとる。繰延税金負債の減少により、同額だけ当期純利益の額が増加する。繰延税金負債が計上される主な項目としては、積立金方式による固定資産圧縮記帳の圧縮積立金(企業会計上:取得価額、税務上:取得価額−圧縮積立金)、その他有価証券の評価差額(評価益)などがある。
脚注1.  税務上は当期に益金算入されないが、将来時点で益金算入される、もしくは企業会計上将来時点で損金算入されるが、税務上は当期に損金算入が認められることによる一時差異。
2.  圧縮記帳の会計処理のうち、資産の取得原価から圧縮額を直接控除する直接減額方式の場合は、企業会計上の帳簿価額と税務上の帳簿価額が一致する。そのため、積立金方式とは異なり、将来加算一時差異は発生せず繰延税金負債も計上されない。

・繰延資産
繰延資産(くりのべしさん・deferred assets)は、すでに対価の支払が終了し又は支払義務が確定し、それに対応する役務の提供を受けたが、その効果が将来にわたって発現される費用であり、収益との対応関係から次期以降にわたって繰延べ経理された資産の種類の一つである。貨幣性資産ではなく費用性資産であるため、換金価値を持たない。貸借対照表上、流動資産や固定資産とは区分掲記される。繰延資産は、支払った費用のなかで、将来にわたって企業に利益をもたらすと考えられるものを指す。要するに「交通費のように形には残らない費用だが、建物や機械のように将来にわたって利益を生む可能性があるものを資産としておこう」というものである。繰延資産とは、将来の期間に影響する特定の費用として、すでに代価の支払が完了し又は支払義務が確定し、これに対応する役務の提供を受けたにもかかわらず、その効果が将来にわたって発現するものと期待される費用をいう。これらの費用は、次期以後の期間に配分して処理するため、経過的に貸借対照表の資産の部に記載することができるとされている。一方、前払費用も繰延べ経理された資産の一種であるが、前払費用が支出に対応する用益の提供を未だ受けていないのに対して、繰延資産は既に用益の提供を受 けていることで両者は相違する。

・繰延税金資産
繰延税金資産(くりのべぜいきんしさん・Deferred Tax Asset)は、税効果会計を適用した際に認識される資産(借方項目)である。企業会計上の費用が税務上の将来減算一 時差異(つまり、当期には税務上の損金と認められないが、将来時点では損金と認められる費用)として否認され、税務上の課税所得や納付税額が増加する場合に生ずる。言い換えれば、将来の会計期間に帰属すべき税金費用(損金)を当期に前払いしたと考え、これを繰延処理することにより生じる資産である。繰延税金資産は、企業会計と税務との「一時的な」費用(損金)に対する認識時期の相違(一時差異)を調整するための項目であり、交際費のように企業会計上の費用と税務上の損金との不一致が永久に解消されない永久差異については、繰延税金資産の計上が認められない。通常、繰延税金資産の計上と同時に法人税等調整額の計上により、同額だけ当期純利益の額も増加する。一方、計上された繰延税金資産は、将来帰属すべき税金費用(損金)が実現する時点で、残高を減少させる手続きをとる。繰延税金資産の減少により、同額だけ当期純利益の額 も減少する。 繰延税金資産の計上にあたっては、税金費用(損金)の実現する将来時点で、十分な当期純利益が確保されている(具体的には繰延税金資産減少に伴う当期純利益の減少額を上回る当期純利益が見込まれる)ことが条件である。その理由としては、繰延税金資産減少に伴う当期純利益の減少により、税金費用(損金)実現時点の当期純利益額がマイナスとなってしまうのは、健全性の観点から問題とされるためである。このように、税金費用(損金)の実現する将来時点において、十分な当期純利益の確保が想定できない場合には、税金を前払いする能力に乏しいと判断されるため、健全性の観点から税効果会計の適用は認められず、したがって、繰延税金資産の計上は認められない。繰延税金資産の計上される主な項目としては、引当金の損金算入限度超過額、その他有価証券の評価差額(評価損)、及び繰越欠損金(7年間の繰越し及び翌期以降の課税所得との通算が可能)などがある。

・契約の種類(けいやくのしゅるい)
贈与
当事者の一方(贈与者)が自己の財産を無償で相手方(受贈者)に与えることを内容とする契約
売買
当事者の一方(売主)が目的物の財産権を相手方(買主)に移転し、相手方(買主)がこれに対してその代金を支払うことを内容とする契約
交換
当事者が互いに金銭の所有権以外の財産権を移転することを内容とする契約
消費貸借
当事者の一方(借主)が種類、品質、数量が同じ他の物をもって返還をすることを約束し、相手方(貸主)から金銭や物を受け取ることを内容とする契約
使用貸借
当事者の一方(借主)が無償で使用および収益をした後に返還をすることを約束し、相手方(貸主)から物を受け取ることを内容とする契約
賃貸借
当事者の一方(貸主)がある物の使用および収益を相手方(借主)にさせることを約束し、相手方がこれに対して賃料を支払うことを内容とする契約
雇用
当事者の一方(被用者)が相手方(使用者)に対して労働に従事することを約束し、相手方が報酬を与えることを内容とする契約
請負
当事者の一方(請負人)がある仕事の完成を約束し、相手方(注文者)が報酬を支払うことを内容とする契約
委任
当事者の一方(委任者)が法律行為をすることを相手方(受任者)に委託し、相手方がこれを承諾することを内容とする契約
寄託
当事者の一方(受寄者)が相手方(寄託者)のために保管をすることを約束し、物を受け取ることを内容とする契約
組合
各当事者が出資をして共同の事業を営むことを内容とする契約
終身定期金
当事者の一方が、自己、相手方または第三者の死亡に至るまで、定期に金銭その他の物を相手方または第三者に給付することを内容とする契約
和解
当事者が互いに譲歩して当事者間に存在する争いをやめることを内容とする契約

・決算
決算(けっさん)とは、一定期間の収入・支出を計算し、利益又は損失(損益)を算出することである。企業だけでなく国・地方公共団体においても決算を行うことが、法律で定められている。多くの日本企業での企業会計では、日本の公的セクションにおける決算時期に合わせ、4月から翌年3月までの1年間を1会計期間として損益を算出する(3月期決算)。企業によっては、1月から12月まで(暦年)の1年間を一期とする12月期決算もある(日本国外の企業では12月期決算がほとんどである)。流通業では、3月から翌年2月までの2月期決算が多い(2月が閑散期に当たるため)他、農産物を扱う企業では、扱う農産物の収穫時期に応じて決算時期がシフトされる場合がある。企業会計においては、単に損益を計算するだけではなく、種々の財務諸表を作成し、詳細な情報開示が行われる。なお、通常は、金商法適用会社のうち上場会社においては、四半期決算として、3ヶ月単位の財務諸表を作成し、金商法適用の非上場企業では、四半期決算もしくは半年ごとに中間決算として中間財務諸表が作成される。作成された財務諸表は、監査法人や公認会計士による監査を受けたのち、原則として株主総会で最終的に承認される。決算手続の完了には1ヶ月〜2ヶ月強必要とする。

・原価計算
原価計算(げんかけいさん・cost accounting)は、製品やサービスの原価を計算すること、または、その方法である。狭義では、工業簿記のシステムに組み込まれており、複式簿記に基づき、製品原価を分類・測定・集計・分析して報告する手続きのことをいう。1962年に、大蔵省企業会計審議会より公表された「原価計算基準」はこの狭義の原価計算を規定したもので、日本での原価計算の実践規範になっている。広義では、製品やサービスの原価を計算するための方法一般を指す。工業簿記に基づかない原価計算も、実務では広く適用されている。また、目的や製造方法により、利用される手法が異なる。今日の場合広義に捉えるのが一般的であり、その場合原価計算の意味は管理会計の意味とほぼ同義となる。つまり、経営管理者の経営管理に貢献するものすべてが、原価計算といえるのである。
原価計算の定義
原価計算基準では原価計算の定義を「製造活動を財務会計機構から受け取ったデータについて給付と関わらせた一定の計算をおこなうことによって、貨幣価値的に表す技術である」としている。
原価計算基準
詳細は「原価計算基準 」を参照。
原価計算基準は1962年に大蔵省(当時)企業会計審議会から公表されている。原価計算に於いて重要なのは以下の部分である。
1. 原価計算基準は実践規範としてわが国現在の企業における原価計算の慣行のうちから、一般に公正妥当と認められるところを要約して設定されたものである。
2. この基準は企業会計原則の一環を成し、そのうち原価に関して規定したものである。
3. この基準は、個々の企業の原価計算手続きを画一的に規定するものではなく、 基本的な枠を明らかにしたものである。 企業の個々の条件に応じて実情に即するよう適用されるものである。すなわち原価計算基準の規定は絶対的なものではないということである。従って原価計算基準を強制されることもなく、原価計算基準に規定されていない処理が認められていないわけではない。
原価計算の手続き
原価計算基準によれば製造原価は原則として実際発生額を費目別に分類し、次いで原価部門別に分類し、最後に製品別に集計する。
1 費目別計算
一定期間における原価要素を費目別に分類測定する方法である。
2 部門別計算費目別計算で把握された原価要素を原価部門別に分類集計する。「製品は通常いくつかの作業場を通って完成される」という理由から一度部門に集計して、その後製品ごとに集計する。
3 製品別計算費目別計算、部門別計算をおこなったおかげでどの製品にどれだけお金を使ったという形に変換される。販売費及び一般管理費は原則として実際発生額を費目別に計算する

・減価償却
減価償却(げんかしょうきゃく・Depreciation)とは、企業会計に関する購入費用の認識と計算の方法のひとつである。長期間にわたって使用される固定資産の取得(設備投資)に要した支出を、その資産が使用できる期間にわたっ て費用配分する手続きである。英語で有形固定資産にかかるものをdepreciation、無形固定資産にかかるものをamortizationという。収益を獲得するために貢献した資産については費用収益対応の原則により、取得原価を収益の獲得のために利用した期間にわたって費用配分するのが企業会計上望ましいと考えられる。しかし、建物や機械設備などの多くの有形固定資産については機能的・物理的な減価を容易に把握することが出来ないために、以下に示す計算方法によって、可能な限り合理的となるように費用化している。
一方、特許権、商標権や漁業権、ソフトウェアなど各種権利の無形固定資産についても、減価償却を行うことがある。資産であっても減価償却しないものがある。減価償却しないものは非減価償却資産と呼ばれ、非減価償却資産は以下の様な時間によっても価値が減少するとは限らないものが該当する。乳牛の子牛など生育中の生き物で成熟前のもの(成牛となった後は減価償却対象となる)建設仮勘定(建物として引き渡された後は減価償却対象となる)絵画、骨董、書画、彫刻などの美術品や古文書など、土地および土地の上に存する権利(借地権、地上権など)電話加入権。
また、株式などの有価証券も、減価償却資産とされない。

・現金預金
現金預金(げんきんよきん)は、勘定科目の一つ。現預金あるいは現金・預金などと表記される場合もある。現金預金は、会社が保有する現金及び預金類を一括て表したものであり、流動資産を構成する一要素である。現金として扱われるものは通貨および通貨代用証券である。通貨代用証券とは、いつでも通貨と交換できる有価証券のことであり、郵便為替、小切手などが含まれる。預金のうち普通預金や当座預金は現金預金に含まれる。定期預金などには一年基 準が適用され、満期日又は償還日までの期間が1年以内のものが現金預金に含まれる。1会計年度における支出総額を現金預金の月々の平均額で割った割合を現金預金回転率と呼び、これが高いほど現金預金の流動性が高く、だぶつきが少ないと考えられている。

・原材料
原材料(げんざいりょう・Ingredient)とは、物(製品など)を製造するための元になる物。原材料は原料(raw material)と材料(Ingredient)を組み合わせた言葉で ある。両者とも似たような言葉ではあるが、違いとしては原料は通常、物(製品など)が完成したときに原型をとどめていない物のことを指す。
(例)原料-化学製品を作るために投入され るナフサ 材料 - タイヤを作るために投入されるゴムまた、ある物が必ずどちらかに分類されるかというと、そうでもない。用途に よって原料と材料に分かれる場合もある。例として木材を挙げると、原料のケース - 紙・パルプ製品を作るために投入される場合。材料のケース - 一戸建てを建てるために、柱として使われる場合。一般で使われる際には両者は厳密に区別はされておらず、原材料とまとめて言われたりする。

・建設仮勘定
建設仮勘定(けんせつかりかんじょう)は、勘定科目の一つ。有形固定資産に区分される。建設仮勘定は、建設中の 建物や製作中の機械など、完成前の有形固定資産への支出等を仮に計上しておくための勘定科目である。有形固定資産が完成し、事業の用に供した時点で、本勘定に振り替え ることを要する。製作中の自己使用目的等のソフトウェアなど、完成前の無形固定資産への支出を仮に計上しておくためには、無形固定資産の仮勘定(ソフトウェア仮勘定という科目をおく場合もある)に計上する。

・建設業会計
建設業会計(けんせつぎょうかいけい)とは、工事の着工から引き渡しまで1年以上かかることの多い建設業界の特殊性を考慮して作られた財務会計の制度である。 同様の特徴を持つ造船業などにおいても適用される。日本において長期請負工事に関する収益の計上は、従来は工事完成基準又は工事進行基準の選択適用が認められていたが、2007年12月7日に公表された企業会計基準第15号によって、2009年4月1日以降に始まる会計年度分からは、土木、建築、造船、大型機械装置の製造、受託ソフトウェア開発などの、工事収益総額、工事原価総額、決算日における進捗度の3点が信頼性を持って見積れる長期請負工事では、工事完成基準ではなく工事進行基準が強制適用となる。国際会計基準においては、工事進行基準(Percentage-of-Completion method)のみが認められ、工事完成基準(Completed-Contract method)は受容されない。

・建設業会計の勘定科目
建設業会計の特徴は、勘定科目にも表れている。
完成工事高
売上勘定に相当するものである。
完成工事原価
売上原価勘定に相当するものである。
完成工事総利益
売上総利益 に相当するものである。
未成工事支出金
製造勘定または 仕掛品勘定に相当する もので、進行している工事の売上原価 のうち、まだ損益計算書を通じて費用化されていないものをいう。
完成工事未収入金
売掛金勘定に相当するものである。
未成工事受入金
前受金勘定に相当するもので、進行している工事の頭金等として先に受け取った金額をいう。
工事未払金
買掛金勘定に相当するものである。

・工業簿記
材料を仕入れ、製造し、製品を販売する 会社の財務状態を記録・計算・報告するための記帳方式。その製品を作るために必要な経費を材料費や製造作業員の賃金、製造機器の ランニングコストなどから算出するには複雑な計算手続きを必要とするため原価計算の理論を主に用いる。

・工事完成基準
工事完成基準は、工事完成の引渡し日で一括して工事収益を当期損益計算書に計上する方法である。
特徴)請負による収益や利益を工事完成の時点で認識する。工事に関する全ての原価は工事完成まで繰り延べられ工事完成の時点で収益と対応させられる。

・工事進行基準
工事進行基準は決算期末に工事進捗の程度を見積り、適正な工事収益率によって工事収益の一部を当期損益計算書に計上する方法である。
特徴と計算式 請負による収益や利益を工事期間中に認識する。工事に関する全ての原価はその原価が発生した期間に認識される。
工事完成度合=累計原価/見積総原価
当期収益=累計原価/見積総原価 × 契約価額 − 前期までに認識された収益
当期利益=累計原価/見積総原価 × 予想総利益 − 前期までに認識された利益

・固定資産
固定資産(こていしさん・fixed asset、Noncurrent assets)には、会計上の固定資産と、税法上の固定資産の2通りの意味がある。会計上の固定資産とは、販売目的でなく継続的に会社で使用することを目的とする財産のことを指す。固定資産は流動資産(Current assets)と共に資産を構成する。 企業の営業活動を直接表している売掛金、在庫などと、営業活動に直接の関連がなくとも短期的に現金として現れる預金利子などは流動資産であり、固定資産とは異なる扱いとなる。短期と長期の区別は、日本を含む国際的な会計の基準では1年を用いており、1年以内に現金化 するものは流動資産とされる。 会社計算規則(平成18年2月7日法務省令 第13号)106条3項2号に有形固定資産 、106条3項3号に無形固定資産 、106条3項4号に投資その他の資産として区分されるべき資産について定められている。法人税法上、固定資産は次のように定義されている。すなわち、「土地(土地の上に存する権利を含む。)、減価償却資産、電話加入権その他の資産で政令で定めるもの」(法人税法第2条第22号)。所得税法上の固定資産も大枠において同様である(所得税法第2条第18号)。地方税法(昭和25年法律第226号)に定められた固定資産は、次のように規定されている。
1. 固定資産 - 土地、家屋及び償却資産を総称する。
2. 土地 - 田、畑、宅地、塩田、鉱泉地、池沼、山林、牧場、原野その他の土地をいう。
3. 家屋 - 住家、店舗、工場(発電所及び変電所を含む。)、倉庫その他の建物をいう。
4. 償却資産 - 土地及び家屋以外の事業の用に供することができる資産(鉱業権、漁業権、特許権その他の無形減価償却資産を徐く。)
で、その減価償却額又は減価償却費が法人税法又は所得税法の規定による所得の計算上損金又は必要な経費に算入されるもののうちその取得価額が少額である資産その他の政令で定める資産以外のもの(これに類する資産で法人税 又は所得税を課されない者が所有するも のを含む。)をいう。ただし、自動車税の課税客体である自動車並びに軽自動車税の課税客体である原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自動車及び二輪の小型自動車を除くものとする。