経理メモ(ら〜)

・利子所得・留置権・流動資産・流動負債

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申告・税金に関連する用語 簿記と関連性の高い用語

【経理・開業・入札・簿記用語】

・利子所得
利子所得(りししょとく)とは、所得税における課税所得の区分の一つであって、公社債及び預貯金の利子並びに合同運用信託、公社債投資信託及び公募公社債等運用投資信託の収益の分配に係る所得をいう(所得税法23条より抜粋)。その用語から混同されがちであるが、一般の私人等への債権から得る利息は利子所得とならない。例えば学校債から得られる利息も、利子所得でなく雑所得となる(東高判S39.12.9(協和興業事件)参照)。利子所得は、所得税法上は総合課税の対象となっている。しかし租税特別措置法の規定により、15%の源泉徴収(ほか、住民税について5%の源泉徴収)をもって課税が完結する、一律源泉分離課税の方式が採用されている( 租税特別措置法3条の3)。また、金融所得の課税は20%の分離課税であるべきであると考えられていることもある 。このような課税方式が採用されたのは、銀行が預金者と比べてその規模が格段に大きく、またその数も少ないことから、預金者へ個別に課税するよりも、銀行から源泉徴収をする方が効率的かつ効果的な課税を実現できるという配慮に基づくものと考えられる。一般の私人に対する債権や学校債等から得られた利息が利子所得に該当しないのも、このような課税の効率性の視点から説明できるといえる。なお、源泉徴収制度が有るのも日本、米 国、英国、ドイツのみである。他の諸外国では会社員でも源泉徴収されず確定申告している。(米国は源泉徴収されるが年末調整はされず確定申告をしている)

・留置権
留置権とは、他人の物の占有者が、その物に関して生じた債権の弁済を受けるまで、その物を留置することを内容とする担保物権である。 例えばAが所有するデジカメの修理をBに依頼し、修理代金は修理が完了後に支払うという契約で、Bの修理が完了した場合を想定すると、Aが所有権に基づいてデジカメの返還を請求しても、BはAが修理代金を支払わない限り、デジカメを返還せずに留置しておく法的な権利を有しており、これが留置権である。留置権は、以下の要件を満たしている場合に主張することができる。
ア 他人の物を占有していること
イ 債権が目的物に関して生じたものであること
ウ 債権が弁済期にあること
エ 占有が不法行為によって始まったのではないこと
なお、抵当権や質権が契約をもって設定されることに対し(約定担保物権)、留置権は法令上で当然発生するものである(法定担保物権)。

・流動資産
流動資産(りゅうどうしさん、current assets)とは、会計における資産のうち、通常1年以内に現金化、費用化ができるもの(1年基準)。ただし正常な営業循環過程にあるものは1年以内に費用化されないとしても流動資産に区分される。例えば、林業などにおける棚卸資産は費用化されるのに通常数年かかるが、流動資産に区分される(正常営業循環基 準)。つまり、流動資産か固定資産に区分分けはまず正常営業循環基準によって行われ、その次に1年基準によって行われる。固定資産に対するもの。

・流動負債
流動負債 (りゅうどうふさい・Current_liabilities)とは、会計における負債のうち、以下のものをいう。企業の主目的たる営業取引によって発生した債務貸借対照表日の翌日から起算して1年以内に支払の期限が到来する債務(一年基準 )通常1年以内に使用される短期負債性引当金経過勘定(未払費用および前受収益)会社計算規則(平成18年2月7日法務省令第13号)においては、107条2項1号に流動負債として区分されるべき負債について定められている。